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新しい心身医学 生かされてる医学

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第1講「心と身体は一つに動く」



―「こころ」を、こころだけの問題として考えない―

第0講では、私がなぜ健康医学をめざすようになったのかをお話ししました。

44年間、五色県民健康村健康道場で多くの方と接する中で、私は次第に、

身体だけを見ていても、人間の健康は理解できない


と考えるようになりました。

ここから、具体的な学びに入ります。

最初に考えていただきたいのは、

こころと身体は別々のものではない

ということです。


不安になると、なぜ身体まで苦しくなるのでしょうか

強い不安を感じたときのことを思い出してみてください。

胸がどきどきする。

呼吸が浅くなる。

肩や首に力が入る。

胃が重くなる。

食欲がなくなる。

眠れなくなる。

汗が出る。

身体がだるくなる。

私たちは「こころ」で不安を感じているように思っています。


しかし実際には、その不安は身体にも現れます。

これは不思議なことではありません。

人間のこころと身体は、自律神経系、内分泌系、免疫系をはじめ、さまざまな仕組みを通して互いに関係しながら働いているからです。

このように、こころの状態と身体の状態が互いに影響し合うことを、心身相関といいます。


▶ 動画で理解を深めてください

「こころの問題なのに、なぜ身体の調子まで悪化するの?」


 健康医学には心身相関の理解が大事





身体から、こころへの影響もあります

逆方向もあります。

身体が疲れていると、普段なら何でもないことが気になります。

睡眠不足が続くと、いらいらしやすくなります。

体調が悪いと、物事を悲観的に考えやすくなることもあります。

つまり、

こころが身体に影響するだけではなく、身体もこころに影響しています。

こころと身体は、どちらか一方が主人で、もう一方が従っているわけではありません。

一人の人間の中で、一つになって動いています。

私は、健康を考えるとき、この事実を非常に大切にしてきました。


「気の持ちよう」だけではありません

こころの問題について、

「考えすぎないようにしましょう」

「もっと前向きに考えましょう」

「気にしなければいい」

と言われることがあります。

もちろん、考え方が変わることは大切です。

しかし、強い不安や悩みを抱えている人に、

「考えなければよい」

と言うだけでは、なかなか解決しません。


なぜなら、そのときにはすでに、頭の中の考えだけではなく、身体全体がその状態に巻き込まれていることがあるからです。

反対に、身体症状があるからといって、そのすべてを「ストレスのせい」と考えることも適切ではありません。

必要な医学的診察や検査を受けたうえで、

身体だけを見るのでもなく、こころだけを見るのでもない。

これが、健康医学の基本的な考え方です。


ストレスが続くとどうなるのでしょうか

一時的に緊張すること自体は、悪いことではありません。

大切な仕事をするとき。

試験を受けるとき。

危険を感じたとき。

身体が緊張状態になることには意味があります。

問題は、その状態が長く続くことです。


仕事のことを家に帰ってからも考え続ける。

人から言われた一言を何度も思い返す。

まだ起こっていない将来のことを繰り返し心配する。

眠る直前まで頭の中で同じことを考えている。

身体は休んでいるように見えても、こころは休んでいません。

そして、こころが休まなければ、身体も十分に休めないことがあります。

ここに、現代人の健康を考えるうえで非常に重要な問題があります。


では、どうすればよいのでしょうか

ここで一つ、大切なことがあります。

こころから身体へ影響するのであれば、

身体からこころへ働きかけることもできるのではないか。

ということです。

その一つが、呼吸です。

心臓の動きや胃腸の働きを、自分の意思で自由に変えることはできません。

しかし呼吸は、普段は自然に行われながら、同時に自分の意思でもある程度調節することができます。

私はここに、丹田呼吸法の大きな意味があると考えています。


ただし、第1講では、まだ丹田呼吸法そのものを詳しく練習する必要はありません。

まず、

こころと身体は一つに動いている。


だから、こころから身体へだけでなく、身体からこころへ働きかける道もある。

ということを理解してください。

丹田呼吸法については、後の講で詳しく学びます。


▶ まず、この動画をご覧ください

「丹田呼吸法は心身医学の素晴らしい方法です。心身相関を理解しよう。」





しかし、身体を整えるだけでも十分ではありません

ここが大切です。

丹田呼吸法によって身体からこころへ働きかけることができても、

自分がなぜそれほど不安になるのか。


なぜ同じことで腹が立つのか。


なぜ人の評価が気になるのか。


なぜ同じ人間関係を繰り返してしまうのか。

その原因まで自動的に分かるわけではありません。

そこで今度は、反対方向から見ていく必要があります。

つまり、

自分のこころは、いったいどのように動いているのか。

を調べます。

ここから「こころ分析」が始まります。

その最初の入口が、次の第2講で学ぶ性格分析です。




第1講のまとめ

人間のこころと身体は、別々に動いているわけではありません。

不安や緊張は身体に現れます。

身体の状態も、こころに影響します。

だから、こころの問題をこころだけで考えることはできません。

一方で、身体だけを整えればすべてが解決するわけでもありません。

生かされてる医学では、

身体からこころを見ること。


こころから身体を見ること。

その両方を大切にします。

そして次の段階では、

「では、私のこころは、なぜこのように動くのだろう」

という問題に入ります。

そこから、自分を知るための具体的な学びが始まります。


自分について考えてみてください

  1. 不安や緊張が強いとき、あなたの身体にはどのような変化が起こるでしょうか。

  2. 疲れているとき、普段なら気にならないことに強く反応することはないでしょうか。

  3. 「こころだけ」「身体だけ」と分けずに自分を見ると、今までとは違った見え方にならないでしょうか。

答えを出す必要はありません。

まず、自分自身を観察してみてください。

この「自分を観察する」ということが、これからの講座でとても大切になります。


次回 第2講

性格分析

―まず、自分の反応の型を知る―

性格を良い・悪いと評価するためではありません。

不安になったとき。

不満を感じたとき。

人間関係で傷ついたとき。

そのとき、自分のこころがどのように動くのか。

第2講から、具体的に自分自身を見ていきます。


[第2講 性格分析へ進む]

不安の根本を見つめ、本当の自分を生きる



 不安の根本を見つめ、本当の自分を生きる

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